海外旅行って、基本的には楽しいもの。でも、旅先でふと「この世界は、危険と隣り合わせなんだ」と感じる瞬間があります。
ドーハやカイロの空港で、掲示板に映った“あの行き先”を見たとき、背筋がゾォと冷たくなりました。
空港という「日常」と「非日常」が交差する場所で、私は“世界の縁”に触れた気がしました——。
中東の空港掲示板に映る「行ってはいけない国」行きの現実
今年、一人旅でカタールやエジプトを旅行した時のエピソードです。
訪れたのはカタールにある世界有数のハブ空港「ドーハ国際空港」
黄色や紫のライトが輝く近未来的なガラス張りの空間、巨大な黄色いクマにみんながカメラを向けています。
ルイヴィトンなどの華やかなブティックが軒を連ね非常に華やかです。


私も何枚も写真を撮りました。
さて、空港で必ず目にするのがフライト掲示板ですよね?
自分が搭乗する便のゲートやステータスを確認するために欠かせません。
フライト掲示板にはその日就航する都市がずらりと表示されています。
フランクフルトやプーケット、サンパウロにモルディブ…

さすがドーハ空港!
世界中行けるじゃん!
そんな軽やかな気持ちで見上げた掲示板に、
ふと目を疑うような行き先が並んでいました。
「ダマスカス(シリア)」


えっ・・?
シリア行の便がすぐそこにあるの?・・
背筋が凍りました。
別の日に、エジプトのカイロ空港に訪れた時は…
「バグダッド(イラク)」
子供の時、日本人が重篤な事件に巻き込まれたというニュースを見て以来トラウマになった、
私の中で「絶対に近づいてはいけない都市」として刷り込まれていた場所。
そんな危険な都市へのフライトが、空港という“日常”の中に、当たり前のように存在していたのです。
外務省が示す「絶対に行ってはいけない国」
シリア行の便を見た瞬間、
ただの旅行者である私は、まるで境界線をまたいでしまったような感覚にとらわれました。

絶対に行ってはいけない場所だ。
🧨実際、日本の外務省が公表している海外安全情報では、シリアやイラクをはじめとした地域は、明確に「危険な場所」として設定されており、
絶対に行かないよう警告されています。
2025年4月時点で、以下の国や地域はレベル4(退避勧告)に指定されています。
- シリア(全土:レベル4)
- イラク(大部分:レベル4)
- アフガニスタン(全土:レベル4)
- イエメン(全土:レベル4)
- スーダン(広域:レベル3〜4)
- ソマリア(全土:レベル4)
- ガザ地区(パレスチナ自治区:レベル4)
誰が乗るのか?なぜ今も便があるのか?
そんな“行ってはいけない”とされる国々に、誰が乗っているのか。
答えはとてもシンプルで、そこに生きる人がいるからです。
観光ではなく、家族のもとに帰る人、現地で暮らす人、仕事や支援で向かう人たちが存在しています。
私たち日本人にとっては、あきらかに非現実の境界線ですが、
“日常の移動”としてのリアルを空港で垣間見れることができるんですね。
世界の“縁(ふち)”を垣間見る場所、それが国際空港
煌びやかな免税店、魅力的なお土産たち、世界中の旅行客が行き交う空港。
一見すると、そこはどこまでも安全で快適で、世界が一つにつながっている場所のように見えます。
でも、フライト掲示板の行き先を見ると、
私たちの感覚では“異質”とされる世界が、静かに混ざり込んでいることに気づきました。
「危険」とされる場所にも人がいて、暮らしがあって、移動があります。
それを映し出しているのが、他でもない、空港のフライト掲示板なのです。
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